初回 8日間の日数制限内にOmiaiからLINEへ。デートへ。そして伝説へ

前回 あつこさん #6 「1行目からネタバレしたい2回目のデート③」


「あれ、私に用があったんじゃなかったの? これは失礼しましたー!」


と職場の事務の先輩が受話器にむかって叫び、


「まっさが『
えっちゃんがさっきこっちに来たとき探してましたよ!』ってマジな顔して言うもんだからさー、てっきり。そうそう! そういうとこがやっぱまっさだよねー!」


それからちらりとおいらの方を見て、


「あーまっさなら今隣でニコニコしてるよー。そりゃー最近いいことあったからねー。もうそれこそ幸せの絶頂よ」


 「僕、そんなにニコニコしてますかね?」とおいらは向かいの保健師Aさんに問いを放る。


Aさんはニコニコしながらサッと泥団子をかわす。わざとらしく首をかしげて。


「まっさ、えっちゃんが『
報告まだなんだけど?』だって」


受話器をうけとると、「まっさくん、なんか私に報告してないことがあるらしいじゃない?」と第三の女の声。


「彼女ができました」


「いつ?」


「土曜日。先週の土曜日」


「土曜日!? ってつい最近じゃん! で、何歳のどんな人?」


「39歳。病院で事務をしてる」


「ふーん。まだどうなるかわからんな」


「そうだね。口約束だけだからね。次会えるのも当分先だし、電話もまだだしね。LINEだけ」


そしておいらにとってこの手の口約束は、経験上、安心感にはならない。


「どうかなったら私に報告すること。以上」


「あい」


ガチャン、ツーツーツー……


つづき 猫に妨害されながら、電話で彼女に2回目のデートについてきいてみた