タイトルのとおりなんだけど、33歳より6歳以上年上、つまり39歳以上の男性お断りっつープロフの乙女とマッチングしてしまったんだわ、おいら。

ちなみに、おいら43歳ね。

星野源とか高橋一生とか桐谷健太とか佐藤隆太とか玉山鉄二とか妻夫木聡とか松坂大輔とかと同学年の華の43歳ね。

つまり5歳も許容オーバーってわけ。

39歳なら「よく見てください、ぎりフェアウェイっス」とか誤魔化しきくかもだが、なんせおいら43歳なんで。

OBもOB、森の奥深くにぶっこんでっから。

アウトオブバウンズ(OB)なオールド・ボーイ(OB)だからヨロシク。

でも相手はマッチングさせてきた。

で、はじめてプロフを読んでみたら、おっさん不可的なことが書いてあったわけ。

では、おいらはどんなショットを打てばよいか。

おそらく「おっさん不可」のくだりは見なかった体での無難なメッセージが、いちばんフェアウェイに復帰できる可能性が高いのだろう。

でも、おいらはコンパクトにまとめたくなかった。

冒険したかった。

だって冒険できる環境だったから。

無料会員に失うものなどないのだ。

それどころか下手に成功すれば、マッチングひとりで課金するしないの判断を迫られてしまう。

判断はできるだけ少ないほうがいいとスティーブ・ジョブズも言ってたし。

よし! 行ったれー!

おいらはドライバーを豪快に振りかぶった。

「6歳以上年上はだめという部分を見逃してしまいました。すみません。もし対象外でしたらお返事は不要です。他の方を優先してあげてください。失礼しました」

---

ボールはあらぬ方角に飛び、カミソリスライスでフェアウェイを突き抜け、がさっと音を立てて反対側の森に入っていった。

あとには静寂だけが残った。