初回 「知的」な美目元のネルさん(41) #1 長文だとか超スピードだとか
前回 「知的」な美目元のネルさん(41) #9 「夜行」

彼女とはじめて手をつないだ前回のラストシーンにはちょっとしたつづきがあって。

手をひいて岡山駅のバス乗り場まで行ったんだけど、彼女のバスがくるまで時間があったのね。

でも、時間つぶしに降りてみた地下街は、シャッターシャッターシャッター。

見るものもないのにうろうろするのも限界があり、地上にもどることに。

エスカレーターの乗り口で泣く泣く手をはなす。世紀末通りでつないで以来、じつに20分ぶりに。

しかたなくおいらが先にのる。

このあとどうやって時間をつぶそうか……。

ぼんやり考えながら中間地点にさしかかったそのときだった。

くに。

左肩の下あたりに、棒を押し込まれるような感触。

おどろいてふりかえると、彼女がイタズラっぽくほほえみながら人差し指をむけていた。

おいらは肩幅が広く、肩周りもわりとごつい。肩周りは、男を感じさせる、数少ないおいらの武器なのだ。

どんな感触か確認せずにはいられなかったのかな。

おいらはにっこりと微笑み返し、なにもいわなかった。

再びバス乗り場。

彼女のリクエストで手の握り方をかえる。

おいらにとっても彼女にとってもやりやすい握り方に。

やがて、ふとした流れで彼女の肩こりの話題になった。

おれも肩こりひどくて、石みたいにかたいんだよね。

なんて返した次の瞬間には彼女、おいらの肩を触ってた。

触る位置を変えながらぺたぺたと。

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それから9日後のLINE。


まーくん、痩せなきゃいけないの?
特にわからないけど…今度ペタペタ触らせてもらおうっと笑


そういうことなら、仕返ししていいかな?

おいらが触っても軽蔑されたりしないかな?

たとえば、おっぱいとか。

つづき おウチデート大作戦