初回 以前いいねが空を切った乙女とマッチング!事務員・美奈子さん(35)
前回 事務員・美奈子さん(35)#2 ところで今度お茶でも2
事務員・美奈子さん(35)
- かつてペアーズかOmiaiでいいねするも、マッチングしなかった人(たぶん)。
- 5/24、withでマッチング。
- 自己紹介文の中では「32歳」。
- 返信は一日一通程度。
- 5/30、デートOKの返事。
お相手の見た目は道重さゆみ似で可愛らしかった。
お腹が空いてるというので、なら僕も食べないと食べにくいですよねと、ふたりともモーニング(トースト、サラダ、ゆで卵、コーヒー)を注文。
休日の過ごし方を訊くと、先週兵庫に吹奏楽を聴きに行ったというので深掘りしていくと、じつは自分も社会人の吹奏楽団に入っているという。
吹奏楽の活動について訊くと楽しそうに饒舌になったので、しばらくそれについていろんな角度から質問を入れていく(担当楽器、音楽のジャンル、楽団仲間、演奏会などなど)。
で、そこからいろんな話題に展開させていったのだけれど、途中から疲労を感じ始める。
彼女、とにかく、受け身なのだ。
こちらに質問したり、話題を振ったりと、会話を一緒に作ろうという姿勢がミジンコほどもない。
なので沈黙が降りるたび(降りること降りること!)、おいらは頭をフル回転させねばならなかった。
途中でちらと掛け時計を見ると、11時30分だった。
まだ30分しか経っていない・・・だと?
11時45分になったときに訊いてみざるをえなかった。
「まだお時間は大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
大丈夫なんだ・・・
12時前に、おいらはトイレに立った。便意はミジンコほどもなかったけれど。
洗面台の鏡の前に立ち、髪の乱れを直し、両の目尻にたまった目やにをとりながら、1時間ほどのあいだに5歳くらい老け込んだ自分の顔面を眺めた。
俺は、いったいここでなにをしているのだ?
テーブルに戻って「そういえば、美奈子さん、道重さゆみに似てますよね?」と水を向けるも、「よく言われます。自分ではあまり似てないと思いますが」「可愛らしくて素敵ですよ」「ありがとうございます」でその話題終了。
その後は恋活・婚活の状況にしぼって訊く。
――好きな男性のタイプは?
うーん、優しい人・・・かな?
――アプリで他に会ってみたか?
再開したばかりなので、最近はほとんど。今日が久しぶりです。
――以前アプリをやっていたときは、どうだったか?
私の返信が遅かったりアプリ放置してたりでやりとりがなかなか続かなくって。会えたとしても二回目になかなか繋がらなくって。
――どういう人にいいねをしているか?
はっきりわかる顔写真を載せていて、プロフィールをきちんと埋めている人。あとメンタルが弱くない人。
――メンタルの強さはプロフィールのどこでわかるのか?
withの性格診断のところです。まさゆきさんは弱くなかったはずですよ。たしか真ん中より上だったはず。
――そんな欄があるとは知らなかった。少なくとも自分の画面では見当たらなかったような。
(スマホを取り出して)えーーーとですね、あ、まさゆきさんのはメンタル欄なかったです。
――(・・・)。男性のメンタルの弱さが気になるきっかけがあったのか?
前にアプリでお付き合いして一ヶ月で別れた男性がいるのですが、その人がすごく女々しくて、ねちっこくて。そういえばと思ってwithでその人のプロフィールを確認したら、「メンタルが弱い」になってて。
――そんなことがあったのか。では「俺について来い!」みたいなゴリゴリの人が好き?
それもやです。アプリでよく筋肉見せびらかしてる男性がいますが、そういう人からいいね来てもスルーしてます。EXILE系じゃなくて、ジャニーズ系が良いです。
――たしかに自分もどちらか選べと言われればジャニーズを選ぶ。EXILE怖そうだから。アプリ以外に婚活しているか? たとえば結婚相談所とか婚活パーティーとか。
岡山県がやってる「おかやま縁むすびネット」というのに最近登録しに行きました。
――「登録しに行った」。ネットでは登録できないのか?
行かないといけないんです。
――それはめんどうだ。
はい。それに自宅とかで男性のプロフィールを閲覧できるようにするには、もう一度行って手続きしないといけなくって。なので最低二回は行く必要があります。
――いかにもお役所仕事って感じがする。縁むすびネットにはいい人はいたか?
それがかっこいい人がいなくって・・・笑 アプリの方が断然かっこいい人がいます。でも縁むすびネットは戸籍抄本とか独身証明書の提出が必要なので、身元はしっかりした人たちばかりです。だから安心といえば安心なのですが・・・
――でもかっこいい人は少ないと。むずかしいものだ。
そうなんですよ笑
うんたらかんたら、エトセトラエトセトラ・・・。
ふたたび掛け時計を確認。
12時15分!
「お時間はまだ大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
「もう一時間以上経ってますが」
「そうですね、これくらいにしますかね」
飲食代はおいらが支払った。美奈子さんは一応財布を出す素振りはしていた。
店を出た。もう気の利いたことを言う気力も残っていなかった。
「・・・いつのまにか、曇ってますね」
「そうですね」
LINE接続の打診もせず、我々は別れた。
コメント
コメント一覧 (2)
やる気があるのかないのか
アレもいやコレもいや
やっと誰かと会ってもまな板の鯉
逆に選択肢が絞れて良かったのでは…
まっさ
がしました