亀を4匹飼育している。


屋内に2匹、屋外に2匹。


屋外の亀の種類は、ミシシッピアカミミガメ(通称ミドリガメ)。


彼女たち(屋外のミシシッピアカミミガメ)が来た経緯はこうだ。


彼女たちは、列車内のシートの上に、ちいさな虫かごに入った状態で見つかった。遺失物として駅で保管されていたが、持ち主が名乗り出ることはなかった。


通常、駅や列車内での忘れ物は、いったん駅または忘れ物センターで一定期間保管され、所轄の警察署に引き渡されることになっている。


しかし、亀は生き物である。警察だって引き渡されても困る。


というわけで、駅は引きとり手を募集。そこをたまたま通りがかったのが、弟とその彼女(のちの奥さん)だった。


電話に出ると、弟が言った。


「いま駅におるんじゃけど、駅員さんが落とし物の亀いらんかって言っとる。ちっちゃいミドリガメ二匹。まあちゃん、生き物好きじゃけえ、いるかなと思って」


こうして、彼女たちは「むさし」と「こじろう」として、まっさ家に迎え入れられた(カメはある程度大きくならないと性別の判断がつかないので、こんな名前をあてがわれるハメになった。性別が判明してからは「むー」と「こー」という短縮形で呼ばれている)。


それから12年後。


「ちっちゃいミドリガメ」はこうなった。

ミドリガメ
↑こじろう

甲長、30センチ。むかしの面影はみじんも、ない。


生き物を飼うとなった以上、責任が生じる。


二日に一回、たいてい、仕事から帰ってきてすぐ、おいらは水換えをしている。


水量が多くてひっくり返すのが大変な上、カメたちの爪が手に食い込み、大量の蚊の餌食になるという苦役である。


一週間くらい前、そこに新たな仲間が加わった。


蜂、である。

庭の蜂

水音だか水の匂いだかを感知して、水換えのときに必ずやってくるようになった。


水換えの際にできた小さな水たまりから水を飲むために。


一匹目が来てから30秒もしないうちに、もう一匹飛んでくる。いっしょに水を飲んだり、いちゃついたりしているところを見ると、夫婦なのかもしれない。


母ちゃんもその2匹を認識していた。家庭菜園をいじってるときに連れ立って現れて、刺してくるでもなく、ただ周囲を仲良くブンブンするのだ。


仲良きことは美しき哉。


それにしても。


蜂でさえ、ハニー(パートナー)を見つけてるというのに、おいらときたら。


マッチングアプリという文明の利器のハンデをもらっても、このざま。


圧倒的敗北感。。。

こーゆー気持ち 君なら言わずとも
わかってくれると思う
ぼくの腕の中で 彼女のかわりになってよ
おんなじ気持ちで
君のこと 愛せる気がするから
ぼくの せまい部屋で
彼女のかわりになってよ 内緒で

スガシカオ『かわりになってよ』



スガシカオ『かわりになってよ + 性的敗北』