ガキだったころにいちど、釣り堀に行ったことがある。

土俵くらいのせまい池みたいなところで魚がうじゃうじゃおしくらまんじゅうしているもんだから、それこそ入れ食い状態。

そーれ、チャポン!、ぐいーーーっ、ピチピチってなもんよ。


その釣り堀、なぜかそこらじゅうに犬の糞が落ちてたんだけれども、下手すりゃ練り餌のかわりに糞をつかっても釣れたんじゃないかっていうくらいよゆーすぎた。


まったく釣れないのもつまらんけれども、造作なく釣れすぎるのもこれまたつまらんのだ。


けっきょく5匹くらい釣ったらもう飽きてしもうた。釣った魚の目方で値段が決まるシステムだったので、ほんとは駄目だが、ぜんぶリリースして帰ってきた。簡単に釣れた魚には思い入れがなかったのである。


で、おっさんになった今、おいらが足しげく通っているのは、色恋釣り堀「マッチングアプリ」である。


この色恋釣り堀では誰でも入れ食いとはいかない。入れ食いの人、いくらねばっても釣れない人と、はっきり分れるんだな、これが。


なぜかってーと、魚のほうが釣る人を見て選んでるから。

言うまでもないことだが、釣り人の顔だったり身なりだったり経済力だったりを見てるんですな。ある意味釣り人そのものが餌なのである。


魚のほうから釣られにいくので、釣り人の技術がほとんどかんけーない点は、リアル釣り堀と一緒である。つまり、ハイスペック・イケメンにとっては、っつーことだが。


この色恋釣り堀でもキャッチ&リリースは禁じられている。いちおー形の上では。


なぜ「いちおー」かってーと、とりあえず建前でもそういうことにしとかないと、魚が安心して池に来てくれないからである。


でも、釣り堀のオーナーの本音は逆である。キャッチ&リリースが活発なほど儲かるからである。


で、じっさい、釣り堀は儲けに儲けている。


魚たちはそろいもそろってハイスペ・イケメンの餌さえついてない釣り針に食らいつく。

ハイスペ・イケメンは入れ食いなので、釣った魚にいちいち思い入れなどあろうはずなく、また、魚はキープすればするほど金がかかるので、味見だけして即リリースする。

言ってみれば、"性態系"の循環サイクルですな。


こうして池には常にたくさんの魚がいるので、「こんだけいりゃーいつか釣れるっしょ」とロースペ・ブサメンが粘りに粘って延長料金を払ってくれる。


ボロい商売だぜ、まったく!


さて、そんなロースペ・ブサメンのひとりのおいらであるが、きのう、33歳の乙女からいいねをいただいた。


仕事から帰ってwithを立ち上げるとその乙女から足跡がついていた。


顔写真どころか写真自体いちまいものせておらず自己紹介文も空白。でもおいらに興味をもってくれたのだな、今は送るいいねがないから明日のログインボーナスで送ろう! そう思って、アプリを閉じた瞬間に通知が!


「*さんからいいねが届いています! あなたは*さんが最初にいいねを送った相手です!」


足跡をつけ返したとたんのいいね。
そーれ、チャポン!、ぐいーーーっ、ピチピチ

ガキの頃行った釣り堀を彷彿とさせる入れ食いに驚きつつも、こちらも秒でいいね返ししてメッセージを送ったので、乙女のほうも驚いたことだろう。


そして乙女はさらに驚いたことだろう、その二時間後にはもう池にリリースされてしまったことに。


新人のお魚さんよ、オンライン状態で返信しないなんてことしてると、性態系の循環サイクルに入ることすらおぼつきませんぜ。同じくおぼつかないおいらが言うのもなんなんだけどさ。



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