アーティスト:mol-74 (モルカルマイナスナナジュウヨン)
曲名:エイプリル
出演女優:in living. ririka

作成:2021/01/13
更新:2022/05/23


京都発の4ピースバンドmol-74の代表曲「エイプリル」。


彼女との出会いと別離をうたった曲で、MVの舞台は京都。


もちろん、京都の私大にかよってたおいらの目に、こんな風景が映り込んだことはついぞなかった。


それでも、なんどもリピートしていくうちに、ただ忘れてしまっただけで、ほんとはじぶんの記憶ではないか。


じつはおいらは二重人格で、もういっぽうの人格が経験したことを思い出しているのではないか。


あるいは、イケメンとして生きているべつの世界線の映像が脳内に混信してきたような、そんな気分になってくるから不思議だ。



人生は、自分の身に起こったできごとの総体ではない。


もちろん、光に照らし出されるのは、じっさいに起こったできごとだ。それらは目立ち、強調され、輪郭もはっきりしている。我々の日常は、この光の当たる部分である。


しかし、その背後の、光が届かない領域には、「起こりえたできごと(でも決して起こらなかったできごと)」が潜んでいる。あなたがこれまでに選んでこなかった(あるいは選びようにも選べなかった)無数の選択肢が潜んでいる。あなたが呑み込み、心の奥深くに抑え込んできたものたちが潜んでいる。


これらの「影」もまた、あなたの人生の一部(奥行き)であり、もう一人のあなたなのだ。


光源はあなたの心。影はあなたの心のありようによって変化する。


大きくなったり小さくなったり、濃くなったり薄くなったり、写実的になったり、ひどく歪んだり。


そのように変化しながらも、影は決してあなたから離れることはない。忠実な従者のように、どこまでも追従してくる(忠実だが、ときにあなたを裏切り、対決を迫り、日常を破壊してくることもある従者だ)。


ありえたかもしれないできごと。ありえたかもしれない彼女。ありえたかもしれない自分。


そんなありえたかもしれない人生や物語の記憶を「思い出す」こと。


「こうであったかもしれない」という可能性の亡霊 = 影をとりこみ、仮想的に生き直してみること。



小説などのフィクションや他人の物語を読む悦楽とはまさにそこにあるのだし、そうすることで、人は硬直した心や人生をときほぐすことができるのである。


おいらのブログがそんなふうにあなたの役にたっていればいいのだが。


それはともかくとして、ボーカルのファルセット、せつなくて美しいですな。


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