恥じらいさん その3 顔写真なしと体型「」の意味01

まちあわせ場所の「さんすて」内「からふね屋CAFE」前についたのは、13:40だった。

カフェの前に立っている人影はない。
恥じらいさんはまだのようだ。


旅行代理店前のスタンドにあるパンフレットを、手に取らずそのまま読んでみる。

そこには「Go To トラベル対象プラン!」の文字がむなしく踊っている。


パンフレットにもすぐ飽きて、恥じらいさんに「着きました〜」と送る。


すぐに返信がくる。「少々お待ちくださいね💦 
もうすぐ岡山に着きます!」


5分くらいして、ひとりの太った中年女性がまわりをきょろきょろしながらカフェの前に立つも、すぐにどこかへ消えてしまった。おいらは胸をなでおろして待ちを再開する。


スマホの画面にしばらく目をおとしていたら、前方から「こんにちは」と女性の声がした。


目をあげた瞬間、消化試合が決定した。


おいらが乙女に転生したらかくや、という感じの乙女だった。


おいらから身長を20cmばかり低くし、髪を肩までのばしてうしろで雑に一本結びし、黒縁メガネはそのままに、肉付きを三段階くらいよくし、二重あごのラインをよりシャープにし、おっさんが着そうな紺のだぼだぼブルゾン(あとでしまむらだと判明)を着せ、脚の太さを倍にする。

するとあら不思議! おいらの前に立っている乙女のできあがりである。


でも、仕事帰りにせっかく来てもらったのだ。ここで雑な対応なんてすれば、アプリでうようよしてるいけ好かない女性どもとおなじになってしまう。きちんとおもてなしさせていただこう。


駅地下の一番街へおりて、カフェ「Chano-ma」へ。このカフェは、以前マッチングした29歳の乙女に教えてもらったところである。その乙女とは、デートに誘ったとたん音信不通になったけれども、こうしてあとになって役にたってくれたのである。


上座にすわらせて、ドリンクを注文する。恥じらいさんがチャイティーラテを選んだので、おなじものにする。


おいらは聞き役に徹した。

仕事の苦労話をきき、家族の話をきいた。


どうやら東京で証券マンをしているお兄さんのことをたいへん自慢に思っているようだったので、後半はお兄さんにしぼって質問した。


お兄さんは国公立の医学部に進学し、イギリス留学をした。医師免許はとらず(と恥じらいさんは推察している。お兄さんはじぶんのことをあまり話さないタイプなのだ)、大学卒業後、東京の大手証券会社のわずかな本社採用枠にすべりこむ(地方転勤免除の超エリートとのこと)。


その後、同期の女性と結婚する。その女性というのがたいへん家柄のよいお嬢様で、たいへん上品なしゃべりかたをし、洋服は百貨店でしか買ったことがなく、しまむらかユニクロでしか服を買わない恥じらいさんとは大違いである。義姉のことは好きであるが、恥じらいさんの実家によりつかないのが残念だという。


お兄さんも郷土愛とか家族愛みたいなものが希薄で実家によりつかないが、仕送りはしてくれてたいへん助かっている。


エリートでありながらたいへん社交的であり、コロナ前には週4でスポーツバーに通い、知らない人たちと肩をくんで夜を明かしていたという。


そんな話を2時間聴いて解散。駅前でわかれた直後、どっと空腹感がおそってきたのでふたたび「さんすて」にはいってラーメン食べて帰ってきた。

恥じらいさん その3 顔写真なしと体型「」の意味02


以上




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