【交際編】前回 本日のデートコーデ(焼肉)


「男の浮気」について、はじめて彼女が意見を披露したのは、つきあって二週間のころだった。


ペアーズの話になり、おいらが、じつはあなたのほかにも会う約束をした女性がいた。でもあなたとの交際がきまったのでキャンセルしたって打ち明けると、彼女は意外な反応を見せた。


「あら、会ってみればよかったじゃない? 会ってみて私とどちらにするか決めたらよかったのに。

だってマー君、女性とお付き合いするの初めてでしょ? もっといろんな女性と会って、吟味して相手を選ぶべきよ。こんなに早く決めるのもったいないよ。

今からでも遅くないよ。ペアーズ再開してみたら?」



それを聞いたおいらは、恋愛経験豊富な女性の余裕みたいものを感じてたじろいだのだった。


あとで彼女が述懐したところによると、このころ、おいらのことは東京転勤までのつなぎくらいにしか考えていなかったらしい。


しかし、それから一ヶ月半後。


「もし他の女の子から誘惑があれば食べちゃう?」

「食べちゃわないですよ。そもそも誘惑なんてないけども」

「もしもの話よ。仮定してみて。若くて可愛い新入社員から、まっささんに相談のってもらいたいですってやつ」

「ガッキーレベルなら間違いあるかも」

「浮気するなんてヒドい! わたし気分害した!」

「なんて答えれば正解だったの?」

「わたしが一番、これが正解」



うむ。もはや余裕のカケラさえ感じられませんな。手放したくなくて必死よ。


その後、おいらとの結婚を意識しはじめるようになり、東京転勤をやめる


そして、さらに一ヶ月半後の現在~

「マー君ってわたしとしか付き合ったことないじゃない?」

「うん」

「やっぱりほかの女の子と試してみたいとかって思う?」

「そうだなあ。『相性』ってのがほんとにあるか興味はあるかもしれんな。ひとりとつきあっただけじゃわかんないものな」

「そういうお店に行ってみて試してみればいいじゃない」

「行っていいの?」

「いいよ。でもシロウトの女の子はだめだよ?」

「世の女性の大半は、そんなふうに考えないと思うんだけども」


「わたしは大丈夫なの笑」


以前のガチガチの束縛からのこの変化。


ほんとは、おいらが「そういうお店」に行くのは「大丈夫」じゃないんだと思う。


でも、一定の譲歩を見せることでおいらから「そうか、なら結婚してもいいかな」って反応を引き出そうとしてるんだと思う。


そうはされまいと土俵際でふんばる日々のおいらなのである。。。

つづき 10歳下の彼女とのジェネレーション・ギャッグ(ギャップ)