交際三ヶ月弱、彼女がはじめて財布出す

本日は、ラーメン→彼女んち→大戸屋っつーデートですた。


大戸屋で1500kcalもある特盛カレーを食っちまったことに軽い罪悪感を覚えながら、いつものようにおいらが会計を済ませようとしたその時だった。


「『
今日は私が出すね』ってときどき言ったほうがいいのかな?」


なんと、隣の彼女がはにかみながら財布を出しているではないか!


「ま、また今度お願いするね」


べつに払ってもらっても良かったんだが、財布を出してくれったっつーことが嬉しくて払わせるのが忍びない気持ちになったのだ。


そんなおいらの卑屈さはさておき、彼女が財布を出したのは気まぐれじゃないと思うのだ。


実は大戸屋事件の前段として、こんな流れがあったのであります。


~時はさかのぼること、先週の日曜日。


その日は珍しく彼女がこっちに会いに来て、楽しいデートのあと、おいらんちの最寄りのコンビニまで送ってくれた。


コンビニの駐車場に車を入れながら彼女が言った。

「マー君、悩みがあるんだけど聞いてくれる?」


カーナビの時刻表示は21:30だった。隣のパチ屋はすでに閉店しているが、まだネオンサインはついたままだ。彼女はエンジンを切った。


「東京転勤の希望を再度出すかどうか迷ってるの。近日中に異動の意思があるか、あるいは現職にとどまりたいか、上司に報告しなきゃいけないの。どうしたらいいと思う?」


おいらは長考した。「おれの希望としては東京に行ってほしくない」


「うん」


「でも行くかどうかを決めるのはおれじゃない」おいらは続けた。

「えぬぬ自身が決めることだよ。自分の判断と責任でもって決めるんだ。決めたことによって生じるいかなる結果をも受け入れる覚悟を持たなきゃならない。誰のせいにもできないように自分で決めること。判断を人に委ねちゃいけないよ」


彼女は泣いた。岡山を離れたい理由について嗚咽しながら語った。


おいらは汗をぬぐいながら黙って話を聴いた。ときどき、なだめるように、彼女の背中をさすったり、手を握ったりした。


気づくと窓が曇っていた。おいらが座っている助手席側の窓が特に視界が悪くなっていて、パチ屋のネオンサインがにじんでいた。


やがてネオンサインが一斉にパッと消灯し、あたりの闇が濃くなった。


彼女はエンジンをかけた。カーナビは23:10を表示していた。


「ほんとは引き止めてほしかったんだ」泣き止んだ彼女は無理に微笑みながら言った。「わたしの問題も事情もぜんぶ引き受けて、結婚してくれるって言ってくれるんじゃないかと期待してた」

「そんな気はしてたよ」

「でも、結果はこうなりました」

「・・・」


翌日からおいらはLINEや電話で彼女をフォローした。話に耳を傾けたり、楽しかったデートのことを思い出させたり、あらゆる手を使って笑わせたりした。

ようするに放っておけなかったのだ。

交際三ヶ月弱、彼女がはじめて財布出す02

で、今日のデートで彼女がぽつりと言った。

「東京行き、やめる」と。

「やっぱりマー君と離れ離れになりたくないって気づいたの。そう気づいたら、びっくりするくらいあっさり決められたの。あんなに悩んでたのにね笑」


で、その後、こんど登山に行きたいねって彼女が言い出した。


それに対して、なんの迷いも遠慮もなくこう言ってるおいらがいた。


「じゃあ、今度はえぬぬのおごりでね!」と。


で、彼女は笑顔で「うん!」と答えたのだ。


かくして大戸屋事件は起こるべくして起きたのだとおいらは推察するのである。

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