引きこもりのおいらを出会い系に導いたトラック運転手ハマさんのこと


作成:2019/12/23
更新:2022/05/28


引きこもりで彼女いない歴=年齢のおいらがマッチングアプリを始めるきっかけとなった人物がいる。



その名は、ハマさん(45)。


おいらが勤めている工場を出入りしていたトラックドライバーである。画像の通りねずみ男を彷彿とさせる風貌ではあるが、数々の女性と浮名を流してきた猛者ぞ。彼の口から吐き出されるゲスい話は微に入り細に入り、むちゃくちゃリアルだ。見栄を張って嘘をついている感じは微塵もない。


どうやったらそんなにたくさんの女性とあんなことやこんなことできるのか聞いてみたことがある。

まっさくん、そりゃあもう、ゲームよ。スマホゲームよ。LINEプレイっていうアバターゲームやってごらん。むちゃくちゃ出会えるから。ゲームだったら引きこもりのまっさくんでもできるでしょ?


何人くらいと会ったんですか?


そうだなあ。岡山の子だけでも20人は下らないんじゃないか。出張族の旦那をもつ人妻とか、Eカップの19歳の看護学生とか(この子は若すぎるなと思って、待ち合わせ場所のコンビニ前で胸だけ揉ませてもらって帰ってきたけどな)、まぁブスもけっこういるけど。


岡山以外にもいるんですか?


福岡のハタチのモデルみたいな子もいたな。会いに来い会いに来いしつこかったけどほったらかしてたら、ある日の夜の9時くらいにLINEが来て、「今、岡山駅の前にいるの」だもんな。


で、あんなことやこんなことを?


いや、用事ついでに岡山駅に途中下車してきただけだから、そんな暇はなかった。キスだけして帰ってきたよ。まぁ濃厚なやつだけどね。

そんなこともあって、こっちも一度は会いにいかなきゃならんなとなって、福岡まで行ったよ。ご両親にも挨拶してきた。お母さんなんか俺と同い年なんだけど、笑顔で「娘をよろしく頼みますよ」だって。


その後その子とはどうなったんですか?


別れたよ。ほんとに綺麗な子だったけど、情緒不安定なところがあってな。それに年の差が大きすぎた。でも、ま、そんなことより一度LINEプレイやってごらんよ。


おいらは言われたとおりにしたが、うまくいかなかった。

どんどんメール送ってる? 男は顔じゃない、マメさよ、マメさ!


ハマさんはゲームの他にも、気が向けば婚活パーティーにも参加したりしていた。

婚活パーチーって何を話すんですか?


自己紹介とか共通の趣味の話とかそんなもんよ。5分ごとに話し相手が変わるシステムなんだが、5人目くらいから疲れてくるんだよな。だって相手が変わるたびに同じ話を最初からしなきゃならんものな。

で、6人目に「なんかもう話すの飽きたわ」って投げやりに言ったら、相手も「私も実はそう思ってたんです」って笑ってたわ。

けっきょく俺は本命の人とカップリングできなかったんだが、帰り道にその6人目の子にばったり出くわしたのよ。「私もだめでした~」なんていうから、「じゃあ駄目だった二人で飯でも行くか」っつーてその流れでホテルよ。


ハマさんはその後、マッチングアプリにまで手を出すも、惨敗した。

マッチングしないことには、俺の口八丁手八丁が使えないからな。顔と年齢だけで弾かれる。俺には向いてないわ。まっさくんはまだ若いからいけるかもしれんよ。やってみ。


っつー経緯でおいらもマッチングアプリを始め、現在に至る。ご承知の通りコノザマというワケだ。

ハマさんは配達担当地域が変わったのか、ウチの工場にはとんと姿を見せなくなった。


しかし、一週間前に、ハマさんの同僚からハマさんが再婚したことを聞いた。しかも相手は10も年下だという。どんな手を使ってそんなミラクルを起こしたのか、詳細が分かり次第、この記事に追記したいと思う。


【追記(2022年5月28日)】
お相手は、岡山じゃなくて広島の人らしい。遠くに物を運ぶ仕事をしてると、距離関係なく出会えるからいいよな。

あとハマさんの話でもうひとつ思い出した。

今もそういうのがあるのか知らんが、サービスエリアの駐車場の大型車枠で、トラックドライバーたちを相手に性的なサービスをする女性がいるらしい。

「性的なサービス」っつーてもがっつりやるわけじゃなくて、ちょこちょこっと短時間で処理するライトなやつ。人数さばけるから、手軽なわりにけっこう稼げるらしい。

その日、ハマさんの運転席のドアをコンコンしてきたのは、19歳の乙女。話を聞けば、なんでも幼子を抱えるシングルマザーだという。

「そうか、若いのに大変だな。頑張っててえらいよ。そんなふうに一生懸命なあんたから、サービスを受けるわけにはいかん」、そう言いながらハマさんは財布から万札を一枚とりだし、乙女に握らせる。「これでなんかうまいもんでも食べな」

「で、でも」

「いいからよ、気が変わらないうちにしまっときな」

「ありがとうございます。いい人って世の中にいるものなのですね」

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おいら「ハマさん、男気ありますね」

ハマさん「じつは話には続きがある。それを聞いても同じ感想でいられるだろうか」

おいら「なにがあったんですか?」

ハマさん「後日、いっしょに飯を食うことになった」

おいら「どういった経緯でですか?」

ハマさん「万札握らせたあと、LINE繋いでたのよ。ぬかりなく。で、そのあとは、おれっちの十八番の口八丁手八丁。モバゲー時代から鍛えてきた話術よ。で、その子は俺にすっかり参っちまって、一週間後には『ハマさんと食事したいです』と」

おいら「それから?」

ハマさん「それから、もちろん、まっさくんの想像どおりの展開。無料で堪能しまくったよね。サービスエリアのしけたサービスなんかじゃなくて、がっつり本格的なやつを。その後も定期的に会ったから、1万の元を取ってあまりあるリターンだよな」

おいら「なにもせずに1万円を渡すとき、そこまで見えてたのですか?」

ハマさん「もちろん、まるっとお見通しよ。すべて計算づくの計画どおり。どうよ、参ったか。俺の男気に?」

おいら「参りました」