MY LITTLE LOVER『YES ~free flower~』♪

MY LITTLE LOVERといえば、みなさん、どの曲を思い浮かべますかな?

デビュー曲『Man & Woman』? それともミリオンヒットした『ALICE』とか『Hello, Again 〜昔からある場所〜』?

もちろんそれらもいい曲ぞ。おいらも好きぞ。

え? 『ハローアゲイン』ってJUJUの曲じゃん?だって?

若い人たちの多くは、そういう認識なんだろうな。ジェネレーション・ギャップ。光陰矢の如し。

そういうものだ。

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MY LITTLE LOVERってどんなバンド?

MY LITTLE LOVERは、1995年に結成されたギターとボーカルの男女二人組バンド。ミスチルなどを手掛けている小林武史がプロデューサーをつとめ、小林自身もファースト・アルバム以降キーボードとして加入、三人組ユニットに。


デビュー曲『Man & Woman』は、初登場こそオリコン48位だったものの、その後ロングヒットを記録。9週目にしてTOP10に食い込む(オリコン最高7位、累計売上917,450枚)。



二曲目のジンクスを破り、『白いカイト』もまぁまぁ売れた(累計売上約50万枚)。



この二曲で、マイラバの名が世間に広く浸透したわけですな。じっさいにCDを買ったのは数十万人だったけれども、「もっといい曲が出たら買ってもいいかな」と思っていたリスナーはそれよりもっといたはずなのだ。ようするに、爆売れする準備はできていたわけですな。

で、そこに『Hello, Again 〜昔からある場所〜』が投下された。

これが売れに売れた。ダブルミリオンに迫る売上ぞ(累計売上1,848,820枚)。





次の曲『ALICE』もミリオンで、二曲連続ミリオンセールを達成、時代を代表するバンドになる。



小林武史個人の名が爆発的に認知されたのもこの頃で、音楽プロデューサーといえば、小室哲哉か小林武史かみたいな時代(いわゆるTK時代)でしたな。余談であるが、アーティストではなく、プロデューサーの名前でCDが売れるという現象が始まったのはこの頃からでしょうな。


売上という面で見れば、マイラバのピークはこの二曲を出した頃ということになる。

五曲目『NOW AND THEN ~失われた時を求めて~』は約65万枚売れたけども、前二曲と比べるとさみしいものがある。その後も曲を出すたびに売上を落としていき、八曲目の『Private eyes』では、とうとう10万枚を割ってしまう。デビューからたった二年半でこの落ち込みなのである。


バンド内の出来事として、1996年の小林とボーカルAKKOの結婚(2008年に離婚)、二回の活動休止、2002年のギタリスト脱退、2006年の小林の脱退がある。二人のメンバーの脱退で、現在は「My Little Lover」に表記を変え、akkoのソロプロジェクトとして活動している。


マイラバ衰退期にオリコン一位をとった『YES ~free flower~』

マイラバってあれだけ売れたのに、意外にもオリコン一位をとったのはたったの二曲なんですな。一曲はもちろんあの大ヒット曲『Hello, Again 〜昔からある場所〜』。

で、もう一曲がこの『YES ~free flower~』である。



え? 知らんって?

まぁ、45万枚くらいしか売れなかったから無理もない。ミリオンヒットを記録した
『Hello, Again 〜昔からある場所〜』『ALICE』以後の加速度的衰退期の作品であり、たぶん発売週に強敵がおらず、棚ぼた的にとれた一位なのだろう。

でも、おいらはこの曲が一番好きなのよ。当時高校一年生か二年生だったおいらが、クラスメートから借りて何度も観た映画『スワロウテイル』の劇中歌だったことも影響してるかもしれん。

でも、やっぱり曲自体がいいと思うのだ。

けだるくて、切なくて、でも疾走感があって、さわやかでもあり、でもやっぱり切ないっつーか。AKKOのにじむような透明感のある歌声が素敵なのは言うまでもないが、ドラムの音がちょっと独特な感じがする(音楽に詳しい人教えてクレメンス)。

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歌詞については、想像力を働かせて、行間をかなり読み込まないと意味がわからない。


「言葉ひとつ 重く消えるよ
 恋の終わりは 夏の香り
 急ぎ足で 帰る途中で
 振り返ったら 影が伸びた

(中略)

 深く眠る ずっと眠るよ
 待ちわびたのは あなたのため」


「恋の終わり」「夏」ってワードと、歌詞全体の雰囲気からおそらく中高生くらいの女の子が主人公なのだろう。

で、彼氏から別れを切り出された。あるいは、好きな男の子に告白するも振られたか、べつの女の子のことが好きだと話してるのを立ち聞きしたか、そんなところだろう。

夕方に下校してる途中、なにか思い出して(あるいは彼がそこにいるかもと思って)、ふと振り返ったら、自分の長い影が路面に伸びていた、と。

ベッドに入ってこんこんと眠りにつく。「ずっと眠る」つもりでベッドに入ったのだ。そして「重く消える」彼の「言葉」、それをためらいがちに発するときの彼の表情、たたずまいのイメージを反芻するのだ。そのとき痛みと「寂しさ」と「ときめき」を感じていた自分も含めて、そっくりそのまま場面を反芻するのだ。そこに含まれる全てを「YES」と肯定して。

眠っている間は、夢の中で反芻している間は、この痛みも寂しさもときめきも消えることはない。このうだるような夏も終わることはない。永遠にぐるぐる廻り続けるのだ。真空パックされた、出口のないアドレセンス(青春)なのだ。

曲の最後、Aメロとサビがひとつに重なり合う。そして曲は終わってしまうのだが、リスナーの心の中ではBメロが続いている。夏は過ぎ去らず、同じ区間をループするのだ。消えない陽炎みたいに。そして、2019年になった今でも廻り続けているのである。

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今回紹介した
『YES ~free flower~』の入ったアルバムはこちら




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